幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
妊娠だと嬉しいけれど、もしかしたら悪い病気の可能性も否めない。結果を聞くまで、不安を拭えないでい
る。


「えっと。昨夜はめまい、今朝は吐き気があったのよね?」
「はい」

「おめでとうございます。妊娠していますよ」

「えっ!? 本当ですか!?」


診察室だということを忘れ、思わず大きな声を出してしまった。慌てて口を手で抑えた私を優しい目で見つめる夏目ドクターは、検査結果を見せてくれる。


「ほら、ここ。検尿で、陽性反応が出ていたわよ」
「本当だ……」


戸惑いと嬉しさが入り混じった複雑な状況だけれど、思いがけない幸せが舞い降り、徐々に視界が歪み始めた。

まだ全然膨らんでいないお腹に手を当ててみる。

ここに……翔くんと私の赤ちゃんがいるんだ。どうしよう、すごく嬉しい。


「エコーで確認してみましょうか」


夏目ドクターがそう言うと、看護師さんがエコー室へと案内してくれた。診察台に横になると、看護師さんが部屋の電気を落とす。

「ちょっと冷たいよ」と言われてすぐ下腹部にヒヤリとした感覚があり、子宮内部が画像に映し出された。


「ほら、見える? この小さな袋が胎嚢。赤ちゃんを包み込む袋で、この中に赤ちゃんがいるの」

「えぇ……まだ全然小さいんだ」
「そうよ。また心拍確認出来ると、それはそれで感動するよ」
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