幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
あまりにも沈黙が続き、徐々に視界が歪み始めた。

やっぱり、嫌だった?
実は子どもが苦手で……とかかな。

それとも、まだ再会して間もないのにこんなことになってしまって……って思ってる?


「ごめん。驚くよね。突然こんな……」


そこまで言ったとき、突然翔くんが私のことを抱きしめた。その瞬間、ポロリと涙が瞳から溢れる。


「違うんだ。真衣……俺、今めっちゃ嬉しくて動揺してる」
「え?」

「俺と真衣の子どもが出来たなんて、どう言葉にしたらいいかわからなくて」


私を抱きしめている腕の力を強めた翔くんの声が、少し震えている。

本当に? 翔くん、赤ちゃんがいること、喜んでくれているの?


「大切に育てような。俺も、サポートするから」
「翔くん……」

「あぁー……まさかこんな幸せな報告がくるとは。真衣のこと、諦めずにいて本当によかった」


そう言った翔くんは、私の唇にキスを落とす。

……そうだ。会えていなかった空白の時間もあったけれど、私たちは幼なじみ。誰よりもお互いのことを理解していて、離れている間ですらお互いのことを好きでいた。

なにも、不安になることなんてなかったんだ。


「愛してる。真衣のことも、赤ちゃんのことも」


そう言いながら、翔くんは再びキスをする。

まさか、こんな大切な薬剤が置いてある倉庫で愛を確認し合うことになるとは、これまた想定外だった。
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