幼なじみの天才外科医に囚われたら、溺愛甘々生活が始まりました
真っ白なローズブーケに、そっと呟く。

このブーケは、翔くんがプロポーズしてくれたときの花束をイメージして造ってもらった物。ブーケトスもこのブーケを使うつもりで、受け取った人に幸せが訪れるといいな、と思っている。


「真衣、なにか言った?」
「ううん、なんでもない。ほら、もうすぐ式始まるよ」


私がそう言った後すぐ、チャペルから「新郎新婦が入場されます」と司会の声が聞こえ、チャペルの扉が開いた。

太陽の光が差している白亜のチャペル。実はこの結婚式場、小学生の頃に翔くんとたまたま観ていたテレビCMで流れていた式場。

子どもながらに素敵だと思ったこの式場。翔くんが『ここで結婚式しようね。真衣ちゃん、絶対ドレス似合うから』と言ってくれたことが、微かに記憶に残っていた。

そんなただの口約束のような、小さな約束。

翔くんは、すべて叶えてくれた。


「わ……みんな来てくれてる……」


参列席には、お互いの両親。真理子、親戚……自分たちにとって大切な人が、私たちの人生の新たなスタートをお祝いしに来てくれている。

それだけで、もう涙が溢れそうだ。


「俺、真衣とお腹の子のことを世界一幸せにする。みんなの前で誓う」


翔くんの方を見ると、とても優しい眼差しで私のことを見ていてくれた。
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