婚約破棄したら『悪役令嬢』から『事故物件令嬢』になりました
9 私はまんまと騙された
元々、元婚約者のルーカスと不貞相手のミシェーラを引き合わせてしまったのは私でした。
テディとエリィ、ルーカスと私は4人1組で学園の毎日を過ごしていました。
テディとエリィはラブラブだったけど、ルーカスと私は友人以上の恋人未満。
でも、間柄は幼い頃からの婚約者で。
父親同士が学生の頃から仲が良くて、私達を結びつけたから。
お互いに燃えるような気持ちがなくても、周囲からは祝福されて結ばれて、終生心穏やかに過ごしていける相手だと思っていたのです。
ところが。
それは高等部2学年の学年末試験を控えたある日のこと。
私は同じクラスの、ミシェーラ・ハロゲートに声をかけられたのです。
その日は朝から雨でした。
お昼休みが終わって自席に戻った私は、机の中に入れていた筈のペンケースが見つからなくて、困っていました。
何度も机の中を見ては、ごそごそとしている私に隣の席のミシェーラが声をかけてきました。
「どうなさったの、マッカラム様?」
「うるさくしてごめんなさい、ペンケースが見つからなくて」
今から思えば。
多分、彼女が隠したか捨てたのです。
ですが、当時はそんなこと思いもしません。
だって私達は同じクラスでしたが、特にそれまで接触もなく……
私がミシェーラをなんとも思っていなくても、彼女はそうじゃなかったって、だけの話ね?
「大変ね。次の時間は小テストですわ。
よろしければ、こちらを」
バカな私は彼女が差し出してくれたペンを借りてしまった。
『これまで大して仲良くしていなかったのに、なんと親切な御方だろう』なんて、思いながら。
『この親切な人に、何か御礼をしなくっちゃ』なんて、ね。
テディとエリィ、ルーカスと私は4人1組で学園の毎日を過ごしていました。
テディとエリィはラブラブだったけど、ルーカスと私は友人以上の恋人未満。
でも、間柄は幼い頃からの婚約者で。
父親同士が学生の頃から仲が良くて、私達を結びつけたから。
お互いに燃えるような気持ちがなくても、周囲からは祝福されて結ばれて、終生心穏やかに過ごしていける相手だと思っていたのです。
ところが。
それは高等部2学年の学年末試験を控えたある日のこと。
私は同じクラスの、ミシェーラ・ハロゲートに声をかけられたのです。
その日は朝から雨でした。
お昼休みが終わって自席に戻った私は、机の中に入れていた筈のペンケースが見つからなくて、困っていました。
何度も机の中を見ては、ごそごそとしている私に隣の席のミシェーラが声をかけてきました。
「どうなさったの、マッカラム様?」
「うるさくしてごめんなさい、ペンケースが見つからなくて」
今から思えば。
多分、彼女が隠したか捨てたのです。
ですが、当時はそんなこと思いもしません。
だって私達は同じクラスでしたが、特にそれまで接触もなく……
私がミシェーラをなんとも思っていなくても、彼女はそうじゃなかったって、だけの話ね?
「大変ね。次の時間は小テストですわ。
よろしければ、こちらを」
バカな私は彼女が差し出してくれたペンを借りてしまった。
『これまで大して仲良くしていなかったのに、なんと親切な御方だろう』なんて、思いながら。
『この親切な人に、何か御礼をしなくっちゃ』なんて、ね。