19時の待ち合わせは、恋の始まり。
【04.】ごめんなさい、
月陽カフェを出て数分。
羽野さんの隣は、ドキドキしかしなくて。
ラベンダーの香りに紛れて、
時折り、聞こえてくる羽野さんの足音。
その足音にすら、
ドキドキしてしまうはもはや異常だとすら思う。
出会ってまだ、
24時間も経っていないのに............っ。
気づいたら、
羽野さんのことばっかり考えている私。
隣に羽野さんがいるだけで、
手が触れそうで触れない距離感。
ドキドキを、
抑えようとしても、収まってくれなくて.........
「〜〜っ、」
顔が真っ赤になって、俯いてしまうと。
「手、握ってもいいですか?」
ふわりと優しくて、でも、
ほんの少しためらいがちな羽野さんの声。