「社会勉強だ」と言って、極上御曹司が私の修羅場についてくる
「じゃあ、社会勉強させて貰いに、俺が鹿山に同伴するかな」
私は一瞬、ぽかんとしてしまった。
……副社長が、一緒にパーティーに行くってこと!?
「いやいや、えっ、どうしてですかっ!?」
「社会勉強だって言ったろ? そんな不誠実で身勝手な人間、なかなかお目にかかれない。俺は自分の部下をこれほど馬鹿にされて涼しい顔をしていられるほど薄情ではないし、後学の為に身勝手な人間の顔や行動を見ておきたい」
副社長は真面目な顔で、珍しいものを見たいからついて行きたいと言うのだ。
「や、普通は行かないですよ? プライベートで副社長とお出かけなんてしたら、社内にたくさん居る副社長ファンの皆さんに私がどつかれます」
「どつかれたら、俺に報告しろ。顧問弁護士に話を通す」
「例えです! 実際どつかれたりはしないと思いますが、なんで? とは思われます」
「思わせとけばいいじゃないか。俺はそのホームパーティーに同伴する。それで、鹿山を泣かした奴らの顔をじっくり見て……後悔させてやる」