「社会勉強だ」と言って、極上御曹司が私の修羅場についてくる
そんな、桜子さんに副社長が叱られた……!?
「『傷ついた経緯を無理矢理聞き出すなんて、信じられない! それ以上に元彼と間女も最低だ!』ってね。まずは、勝手に姉さんに鹿山の事情を話してしまってすまなかった」
 申し訳なさそうに私に謝る副社長の姿に、頭が真っ白になった。
 ひっそりと推させて頂いている桜子さんに私の存在が認知された事に、理解が追いつかない。
「いや、や……あはは……びっくりしました」
 驚き過ぎて、変な笑いしか出てこない。
「今回は姉さんにも協力して貰いたくて、連絡を取ったんだ。事情を話したら、連れてきなさい!ってすぐ話がついて、俺の姉だから気を違わなくて大丈夫だから……あれ、鹿山?」
「ああ、手が震えてきちゃいました……」
「俺の姉は迫力があるが、怖い人間ではないから心配しなくてもいい」
「存じ上げています。桜子さんはあんなに才能に溢れてたくさんの人を幸せにする才能に溢れているのに驕らず、たまに弱気な時にもそのままの姿や気持ちを我々ファンに見せてくれて、その飾らない生き方に何度励まされたか! 桜子さんが我々ファンを『家族や友人と同じように大切な存在』と言ってくれた回では、一体どれだけのファンが救われ心強く思ったか……あっ」
 突然熱弁をかます私に、副社長は「お、おう……」と引き気味だ。
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