「社会勉強だ」と言って、極上御曹司が私の修羅場についてくる
立てば芍薬座れば牡丹……なんて言葉があるけれど、まんまこの人にも当てはまる。
 昴 怜司 。旧華族昴財閥をルーツに持ち、国内での主要都市でのオフィスビルの開発、賃貸、運営を主に展開している昴地所創設者の孫にあたる。
 本人は二十九歳の若さならが、その昴地所本社で副社長の座についている。
 仕事の手腕は誰もが認めるもので、若さや血筋だけ、なんて表立って言う人はいない。
 それに、なんといってもその容姿だ。
 身長は百八十センチはゆうにあり、一度も染めていなそうな艶やかした黒髪はさらりとしている。
 深くくっきりとした二重に、意思の強い瞳。
 凛々しい眉、高い鼻はすっとバランス良く、形の良い唇はいつも機嫌が良さそうに笑みを浮かべる。
 究極に整った、嫌味のない爽やかな超絶イケメン。
 自分の存在感だけで相手より有利に立てるような、自信と教養、そして優れた容姿と優しさを持ち合わせたミラクルな人だ。
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