「社会勉強だ」と言って、極上御曹司が私の修羅場についてくる
いまだから不思議に思うのは、そんな私と四年も今倉くんが付き合っていたことだ。
 でもそれは多分、学生時代は興味から、社会人になってからは”昴地所本社に勤めている彼女がいる”という肩書きが欲しかっただけだろう。
 地味子と笑うあの友人達も、そこだけは羨ましがっていた。
「……許せないな。絶対に必ず鹿山を笑った連中も元の彼氏とまとめて後悔させてやる」
 物騒な台詞に似合わない、にっこりとした笑顔。でも、それがとてもこわい。
「あ、あの……?」
「はるちゃん、大丈夫よ。全部怜司に任せて、どーんと構えていてね」
 浮気した元彼と新たな彼女が開く、本当なら元彼と私で暮らすはずだった新居で開かれるホームパーティ。
 ──なんだか、嵐の予感がして仕方がない。
 
 
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