「社会勉強だ」と言って、極上御曹司が私の修羅場についてくる
「……そうですね。本日も副社長は輝くばかりの顏で、毛穴も無いんじゃないかと思うほどの陶器肌で羨ましいばかりです」
 そのつるりとして肌をじぃーーーっと見ると、副社長は「恥ずかしいっ」とおどけながら笑って顔を覆った。
 副社長は自分の立場におごることなく、フランクに接してくれる。だから私も、つい肩の力を抜いて答えてしまう。
 イケメンな上にお茶目なところもあり、私にもこんな可愛いところが少しでもあったら……とも思ってしまうのだ。
「……で、本当の理由はなんなんだ?」
 ふざけて覆った手をおろして、副社長は目を細めて私に聞く。
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