心の美しさが顔に現れる世界になった結果~義妹と皇太子がどうなったかって?~
この国では貴族ですら……いや、平民ですら「女に務まるものか!」と家督を継がせることも財産を与えることもない。あくまでも女は男に養ってもらうものだ。
「あはははっ、実の親でしょう?あんた、醜すぎて親にも愛されてないのね!さっき、なんていった?不敬だから?不敬だってのは、皇太子に対してでしょ?もう、皇太子ではない、あ、もしかしたら貴族でもないのかしら?だったら、貴族令嬢の私に対して失礼なことはできないわよね?不敬だものっ!あはははー、おかしい!」
義妹がお腹を抱え、殿下……いえ、元殿下に指をさして大笑いしている。
「うるさいっ!分かってないようだが、身分をはく奪されようがされまいが皆殺しなんだ、不敬だとか関係あるわけないだろう!」
殿下が義妹の髪の毛をひっつかんで引っ張った。
「不敬じゃない……なるほど」
騎士団長息子が、義妹の手首をつかんでひねりを加えると、痛みで殿下は義妹の手を離した。
あら?義妹を助けてくれるの?
と思ったら、そうではないようで。そのまま騎士団長息子が殿下を殴りつけた。
「こうなったのはお前のせいだろうが!ゴキ野郎っ!お前がこの女の美しさに惑わされて心が美しいだとかなんだとか言ったから、醜悪魔女に薬をばらまかれたんだろうがっ!」
殴られた殿下は、激しく床に打つつけられた。
それを見た会場の人は、恐れて距離を取るもの、そのままその場に立ち尽くすものいろいろだ。
が、赤いあざが浮き出た人の顔をした女性がつかつかと歩いてきた。
顔はとても美しいんだけど、赤いあざが出ているということは醜くなったってこと?
美しさはもともとの美しさで、心は虫になるほどではなく、元のままでも美しくなるわけでもなく、ちょっと醜くなる程度?
その女性……紺色のドレスなので、下級生の子が、つかつかと隣国の第三王子の元へと歩いていき、その頬を思いきり叩いた。
ぱぁーんと大きな音が鳴り、第三王子は鼻血を出す。血の色は赤なんだなぁ……と、冷静に観察している自分がいる。
王宮では私たちを殺す相談が続いているというのに。
「鼻は、あそこなのか……」
アンドレア様のつぶやきに、ふっと笑ってしまった。
私と同じように、どうでもいいことに感心しているのがおかしくて。
「あはははっ、実の親でしょう?あんた、醜すぎて親にも愛されてないのね!さっき、なんていった?不敬だから?不敬だってのは、皇太子に対してでしょ?もう、皇太子ではない、あ、もしかしたら貴族でもないのかしら?だったら、貴族令嬢の私に対して失礼なことはできないわよね?不敬だものっ!あはははー、おかしい!」
義妹がお腹を抱え、殿下……いえ、元殿下に指をさして大笑いしている。
「うるさいっ!分かってないようだが、身分をはく奪されようがされまいが皆殺しなんだ、不敬だとか関係あるわけないだろう!」
殿下が義妹の髪の毛をひっつかんで引っ張った。
「不敬じゃない……なるほど」
騎士団長息子が、義妹の手首をつかんでひねりを加えると、痛みで殿下は義妹の手を離した。
あら?義妹を助けてくれるの?
と思ったら、そうではないようで。そのまま騎士団長息子が殿下を殴りつけた。
「こうなったのはお前のせいだろうが!ゴキ野郎っ!お前がこの女の美しさに惑わされて心が美しいだとかなんだとか言ったから、醜悪魔女に薬をばらまかれたんだろうがっ!」
殴られた殿下は、激しく床に打つつけられた。
それを見た会場の人は、恐れて距離を取るもの、そのままその場に立ち尽くすものいろいろだ。
が、赤いあざが浮き出た人の顔をした女性がつかつかと歩いてきた。
顔はとても美しいんだけど、赤いあざが出ているということは醜くなったってこと?
美しさはもともとの美しさで、心は虫になるほどではなく、元のままでも美しくなるわけでもなく、ちょっと醜くなる程度?
その女性……紺色のドレスなので、下級生の子が、つかつかと隣国の第三王子の元へと歩いていき、その頬を思いきり叩いた。
ぱぁーんと大きな音が鳴り、第三王子は鼻血を出す。血の色は赤なんだなぁ……と、冷静に観察している自分がいる。
王宮では私たちを殺す相談が続いているというのに。
「鼻は、あそこなのか……」
アンドレア様のつぶやきに、ふっと笑ってしまった。
私と同じように、どうでもいいことに感心しているのがおかしくて。