心の美しさが顔に現れる世界になった結果~義妹と皇太子がどうなったかって?~
「あなたのせいで、私は婚約を破棄されました。……不敬になるとか、隣国との関係が悪くなるとか……いろいろ脅されて。いくら遠回しに断ってもしつこく関係を迫られ……。もし本当に私の生で隣国と揉めたらと思うと、何日も怖くて眠れなくて……。私……ずっと本当はこうしたかったの。私はあなたなんてこれっぽっちも好きじゃない。私が愛していたのは、婚約者だけ」
「はっ、分かりましたよ、わたしが他の女性と仲良くしていたので嫉妬しているのかい?分かった、君は薬を浴びてもなお美しい。ちょっとくらいの顔のあざなど気にすることはない。私の妃にしてやろう」
隣国の第三王子が女性に手を伸ばす。
「ねぇ、アンドレア様、話が通じてないように見えるんですが気のせいでしょうか?」
「うん、気のせいじゃないよ」
ああ、やっぱり。
と、一人の男子生徒が現れ、隣国の第三王子を思いきり殴りつけた。
顔は、右半分がぼこぼこと膨れ上がっているが、半分は人のままだ。紺色ではない服なので同じ3年生。あの顔は確か子爵令息。
「婚約破棄なんて、僕もしたくなかったんだ……。だけど、脅されて……。婚約解消じゃだめだ。破棄しろ。悲しんでいる君を慰めるからと言われ……」
「え?」
「断ったら今度は父を脅し、領民を不幸にしてもいいのかと脅され……ごめん……今更誤っても仕方がないのだろうけれど……」
なんだか、一組の被害者が幸せを見つけたようだ。
涙を流して抱き合っている。
……昆虫顔の人たちはどれだけの被害者を生み出したらあのような顔になったのだろう。
心が醜いだけではなく、その醜さで誰かを不幸にしてるのかな。
私だって、時々義妹なんていなければいいのにとか思うこともあって。とても美しい心というわけではないし、ちょっとくらいつまみ食いしてもいいかなと、こっそり義母の肉を食べたことだってある。
それからも、会場のあちこちで、本音をぶつけ合い罵り、時には殴り合いの喧嘩が始まった。
令嬢同士も髪の毛を引っ張り合ってのバトルも行われている。
その騒動に参加していないのは、美しく顔が変化した者、変わらない者だ。
「これ……が国中に広がると国は亡ぶわね……」
私のつぶやきにアンドレア様が頷く。
「はっ、分かりましたよ、わたしが他の女性と仲良くしていたので嫉妬しているのかい?分かった、君は薬を浴びてもなお美しい。ちょっとくらいの顔のあざなど気にすることはない。私の妃にしてやろう」
隣国の第三王子が女性に手を伸ばす。
「ねぇ、アンドレア様、話が通じてないように見えるんですが気のせいでしょうか?」
「うん、気のせいじゃないよ」
ああ、やっぱり。
と、一人の男子生徒が現れ、隣国の第三王子を思いきり殴りつけた。
顔は、右半分がぼこぼこと膨れ上がっているが、半分は人のままだ。紺色ではない服なので同じ3年生。あの顔は確か子爵令息。
「婚約破棄なんて、僕もしたくなかったんだ……。だけど、脅されて……。婚約解消じゃだめだ。破棄しろ。悲しんでいる君を慰めるからと言われ……」
「え?」
「断ったら今度は父を脅し、領民を不幸にしてもいいのかと脅され……ごめん……今更誤っても仕方がないのだろうけれど……」
なんだか、一組の被害者が幸せを見つけたようだ。
涙を流して抱き合っている。
……昆虫顔の人たちはどれだけの被害者を生み出したらあのような顔になったのだろう。
心が醜いだけではなく、その醜さで誰かを不幸にしてるのかな。
私だって、時々義妹なんていなければいいのにとか思うこともあって。とても美しい心というわけではないし、ちょっとくらいつまみ食いしてもいいかなと、こっそり義母の肉を食べたことだってある。
それからも、会場のあちこちで、本音をぶつけ合い罵り、時には殴り合いの喧嘩が始まった。
令嬢同士も髪の毛を引っ張り合ってのバトルも行われている。
その騒動に参加していないのは、美しく顔が変化した者、変わらない者だ。
「これ……が国中に広がると国は亡ぶわね……」
私のつぶやきにアンドレア様が頷く。