続》キミに…Kiss

「キャ─ッ…怖いよぉ」


真っ暗な部屋の中で両膝の上に頭をのせ、小さくなっているあたしを陸が見つけ、肩を強く掴んだ。


「おい愛理、落ち着けって!」


「ひっ、ひっ…だって…」


どうしても震えが止まらない。


嗚咽(おえつ)で呼吸も上手にできなくて


「……陸」


あたしは肩を掴まれている腕を握り、自然と陸の胸の中に自分の顔を埋めた。
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