続》キミに…Kiss

「だって、あたしのことがイヤで…キスしてくれなかったんじゃないの?」


まだ、そんなことを言ってる愛理。


「アホ。あんなキスされといて、まだ わかんねぇのかよ」


頭を撫でながら甘い香りがする前髪に、そっと軽いキスをし…自分の気持ちをはじめて言葉にする。


「ずっとお前に…こうしたかったっつうの」


「……え」


俺の言葉に驚いたのか、愛理が肩から顔を上げた。


「ふっ、笑える。デカい目が飛び出そうなんだけど?」


「でっ 出ないよっ!」


すぐにムキになる…素直なヤツ。


いつでも自分の言葉で気持ちを100%表現する。


正直すぎるほどバカなヤツで。


お前につられて、こっちまで素直になるっつうの。


俺が持ってないモノを持ってて、一緒にいると飽きないくらい面白くて


腹の底から思いっきり笑える。
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