続》キミに…Kiss
「わぁっ!?急にどうしたの?」
その欲望を我慢するため、愛理の絹のように軟らかい髪の毛をクシャクシャ撫でた。
呆れるくらい鈍感なお前にわかるか?
今の俺の気持ち。
今こうしているのだって、ただふざけてやってんじゃねぇんだぞ。
どうしようもないくらい、お前に触れたくて撫でてるなんて──・・・
鈍感ヤローのお前が気づくはずねぇか?
「どうして陸、笑ってるの?」
「……べつに」
自分の魅力に全然気づいてない……小悪魔なキミ。
『どうか…願わくは、いつまでも鈍感なままでいてください』
そう願う俺と、なにも気づいていない愛理の前に
もうすぐ厄介なヤツが現れることになるなんて、この時の俺たちはまだ知る由もなかった。