続》キミに…Kiss
てか、この子…いつの間に後ろにいたんだろう。
「……正直ウザいんですけど」
「それ、愛理先輩と同じっすね!」
あたしが睨みつけてもヘラヘラと笑ってるのは、この春 新しくバスケ部に入部してきた1年生の……
藤咲勇太(しばさき ゆうた)くん
クセ毛ふうのゆるゆるパーマがトレードマークで。
ちょっと背が低いけど、クリッとした瞳が印象的で“ かわいい ”っていう形容詞が妙に似合っちゃってる子だ。
入部してきて以来…なぜかあたしはこの子にいろいろと絡まれることが多い。
「さぼってないで、早くボール運んで来なさい!」
「それなら愛理先輩も同じだ。デレっとした顔で、彼氏さんを見てさぼっちゃダメじゃんっ!」
「ぅっ……」
「クスッ。ほら、人のこと…言えないクセに」
くやしいけど、ホントのことだから言い返せない。
またキッと藤咲くんを睨みつけると
「飽きないっつーか。やっぱりいいな。先輩のその反応……」