続》キミに…Kiss
気が動転して、とんでもないことを口走っちゃった。
さらに最悪なことに、あたしの大きな声はうちのバスケ部員だけじゃなく
隣のコートで練習をしているバレー部員にまで、しっかりと届いていたなんて──・・・
今、痛いくらいの視線があたしに一気に集中してる。
「あの…さっきのは違うから!みんな、こっち見ないでよぉ~!」
「やっぱり愛理先輩はサイコーっすね!」
「なにがサイコーよ!あたしのこと、からかわないでよ」
口から泡を吹き出しそうなくらい慌てふためいているあたしを、クリッとした大きな瞳を輝かせて藤咲くんが笑う。
「からかうなんて失礼だなぁ~。ただ先輩の目をちゃんと見て、真面目に言おうと思っただけだよ」
「なにを真面目に言うつもりよ」
「オレ、愛理先輩のことがさ……」