続》キミに…Kiss


大人なんだ──・・・


ぶるぶるっ!!


首を左右に大きく振って、頭の中から邪念を追う。


「人は…人。あたしは、あたしじゃないっ!」


その時、壁にかかった時計が視界に入り、時間を見るとすでに7時が過ぎていた。


「わぁ~陸のこと、待たせすぎ。絶対に怒られちゃうよ。早く行かなきゃっ!」


───ガチャッ


「えっ、ここでなにしてるの?」


「なにって言うか…待ってました」


「へ?もう誰もいないよ」


「クスッ。すぐ目の前にいるじゃないですか…愛理先輩が」

 
急いで更衣室のドアを開けると、そこにグリーンのバッグをかわいく斜めがけにしてる…藤咲くんが立っていた。
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