続》キミに…Kiss
・誘惑キッス
【 陸:side 】
部活が終わって、いつものように着替えの遅いアイツを待ってたんだけど……。
いっこうに待ち合わせ場所の校門にアイツが現れない。
「はぁ……。どんだけ待たせるつもりだよ。ホントに鈍くさいヤツ」
待ちくたびれた俺は文句を言いながらも、アイツの様子を更衣室まで見に行った。
そしたら、待ってもやって来ないアイツは
更衣室の前でボーッと突っ立っていて──・・・
「なにしてんだよ?」
「…………」
「おい、聞いてんのか?いつまでここに立ってる気だよ」
「わぁ~陸さん!いつここにおいでに!?」
やっと俺の存在に気づいた愛理は、明らかに目が泳いでいて、そのうえ口調がおかしかった。
なんか……あったな、コイツ。
「またバカなこと……言いやがって。いいから早く帰るぞ!」