続》キミに…Kiss
その後も、誰の目から見ても…様子がおかしい愛理。
本人はまるっきし自覚ねぇんだろうけど。
コイツくらいウソがつけなくて、わかりやすいヤツは他にはいないと思う。
さっきから黙ったままで、どこか一点をボーッと見つめて歩いている感じ。
どうしたっつうんだ。
「なぁ…お前、あそこに突っ立って、結局なにやってたんだ?」
「ただ…ミナミと話してただけ」
こらっ!早速ウソついてんじゃねぇよ。
お前、1人だったじゃねぇか。
そう思ったけど、コイツが必死についたウソに付き合ってやることにした。
「ふーん。それでなにをそんなに2人で話しこんでたわけ?その間、俺すげぇ待ったんだけど」
俺はこんなふうにフツーに質問しただけだった。
だけど、また…バカなコイツは、悲しいことに自らシッポを出してしまう。
「あ、あたしっ、陸とどこまでいったとか…エッチの話なんて絶対にしてないから!」