夜の帝王の一途な愛
「俺はあゆみがいい、友梨ちゃんはあゆみの仕事仲間だから邪険に出来ないだろう?それにうちの店は高いからアルバイトの稼ぎじゃ来られない」
「友梨ちゃん、社長令嬢ですよ、いっぱいお小遣い貰っているって話してくれました」
「マジか!でも客として来る事が出来ても、俺とすぐにデート出来るわけじゃないから」
「そうじゃなくて、プライベートで彼女にするって事ですよ」
「プライベートで彼女にしたいのはあゆみだからだから元旦那と連絡取るな」
彼は私を見つめて「絶対連絡するな」と言って私を抱きしめた。
元旦那は今、目の前にいる麻生凌。
私に嫌な思いをさせたことも、過去に私を全力で愛してくれたことも全て記憶にない。
だから彼は自分に嫉妬している、そう、そのこともわからない。
今も私を全力で愛してくれる、彼の愛情に疑う余地はない、だけどまた記憶がなくなったら、また手離されたら私は立ち直る勇気はない。
だから、今の彼の気持ちに答える勇気もない。
彼は私を見つめて口を開いた。
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