夜の帝王の一途な愛
俺とあゆみが結婚すれば嘘じゃなくなる」
結婚?ダメ!彼と私の関係がわかっちゃうよ
「結婚は出来ません」
「そうあからさまに断られるとへこむな」
「あっごめんなさい」
「まっいいか、そのうちあゆみは俺の奥さんになるよ」
彼は微笑んで、私の手を引き寄せ抱きしめた。
店を後にして二人で食事へ出かけた。
「あゆみ、明日の朝はあゆみの店に送っていけるから五時に出発でいいのかな」
「はい、でも大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ、帰りはタクシーでつかえ」
「そうします」
「プロポーズ早く断っちゃえよ」
「そうですよね、引き延ばすのは失礼ですよね」
彼は安心したような表情で私を見つめた。
マンションに戻ると、彼は今後について話しはじめた。
「あゆみ、アパート解約しろ、一緒に暮らそう」
彼の言葉はすごく嬉しかった、でも彼の記憶が無い事を私は利用しているようで胸の奥が痛い。
だって一年前「俺と別れてくれ」と言われたのに記憶が無い彼は覚えていない。
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