夜の帝王の一途な愛
彼は思った、「あゆみが求めているのは俺じゃない元旦那を思いながら俺に抱かれている」と・・
それでもいいと彼は思った、「今、俺の腕の中で満足しているのなら、心の中で他の男を思っていても」と・・
リニューアルオープンの日、私は加々美社長と待ち合わせをした。
「お忙しいのに申し訳ありません」
「大丈夫だよ、プロポーズの返事聞かせてくれるね」
「はい、とても良いお話ですが、どうしても元主人が忘れられません、この気持ちのままだと失礼になりますのでお断りさせて頂きます」
「そうか、だから指輪外さないのか」
「はい」
「もし、僕がそれでもいいと言ったらプロポーズ受けてくれるの?」
「そんな事出来ません」
「一生元旦那さんを思って一人で生きていくの?」
「元主人より好きになれる人は現れないと思います」
加々美社長はしばらくうつむいて黙っていた。
やっぱり仕事辞めさせられちゃうかなと思い次の加々美社長の言葉を待った。
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