夜の帝王の一途な愛
私は彼に抱きしめられていた。
「あゆみ、大丈夫?」
「麻生さん、なんでここに?」
「あゆみが心配で店を切り上げて来た、俺言っただろ、あゆみは魅力的だからこの男は理性を失いそうだって、危ないところだった」
「失礼な事言うな」
「はあ?何が失礼な事だよ、お前今あゆみに何しようとしたかわかっているのかよ、無理矢理キスしようとしただろう?違うか?」
加々美社長は言葉を返せず黙ったまま俯いた。
「あゆみに何か言うことないのかよ」
「あゆみさん、すまなかった、でも僕の気持ちもわかってほしい」
「いえ、大丈夫です」
「あゆみ、帰ろう」
「一つ聞きたい、君にとってあゆみさんは何だ、あゆみさんは、元旦那さんをずっと愛し続けている、君はそれでもあゆみさんを守っていけるのか?」
「あ?、あゆみは俺のすべてだからな」
涙が溢れて止まらなかった、そこまで私の事思ってくれているなんて・・・
「僕は諦めないよ、あゆみさんを手に入れてみせる」
加々美社長はそう言って車を走らせた。
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