夜の帝王の一途な愛
彼は加々美社長が置いて行った書類をグチャグチャに握り潰した。
「クソッ、どうすればいいんだ」
「社長、大丈夫ですか？」
一緒に働いている彼の後輩ホストが、心配して声をかけた。
東藤?(トウドウ　ヒカル)二十三歳。
「大丈夫だ、なあ?、好きな女の幸せを願う時、自分が側にいるとその女の為にならないとわかったら、お前ならどうする？」
「その女の事すごく好きって事ですよね」
「あ?、その女を守る為なら自分の命は惜しくない」
「それなら手放しちゃ駄目ですよ、想像してみるとよくわかりますよ、その女が他の男に抱かれるところを・・・」
「絶対駄目だ、他の男に渡したくない」
「なら、もう答えは出ていると思いますよ」
そうだ、一年前どうして俺はあゆみを手放したのか。
「?、お前は若いのに大したやつだよな」
「いや、自分勝手なだけですよ、欲しいものはなんとしても手に入れたいっていつも思っています」
「そうだな」
「あゆみさんですか？」
「えっ？なんでそう思う」
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