夜の帝王の一途な愛
私は我に返った、そしてあれから永い時間が経っている事に気づいた。
「すみません、すぐ帰ります」
ショックを受けた事は確かだが、この時涙は出なかった。
彼の言葉を鵜呑みにして、信じた私がいけなかったと自分を責めた。
そう、これが当たり前の現実だから……
マンションに戻ると、彼はすぐさま私を抱きしめた。
「すごく心配したぞ、何処に行っていた」
「ごめんなさい」
彼に抱きしめられて、我慢していた気持ちが溢れて涙が止まらなかった。
「どうした?何があった?」
彼は泣いている私を強く抱きしめてくれた
ずっと涙が止まらない、うそであってほしい気持ちと、現実なのだと言う諦めが入り混じって……
どれ位の時間が過ぎただろうか、私は酷い言葉で彼を責めていた。 
「彼女居るのに、どうして居ないなんて言ったんですか、なんでうそ言ったの?」
えっ違う、私なんて酷い事を、彼を責める資格ないのに。
彼はちょっと戸惑った表情で、今の状況を受け入れられない様子だった
「えっ?彼女は居ないよ、うそは言っていない」
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