夜の帝王の一途な愛
その期間の記憶がすっぽり抜けていた。
俺は同じ過ちを繰り返してはならないと自分に言い聞かせた。
俺はメグと別れた後、自分の夢であった店を軌道に乗せる事に集中していた。
しかし、過酷な試練を与えられ、俺の命は僅かと宣告された。
そんな矢先、あゆみと出会い、俺の命の寿命は延びた。
さらに俺の中の選択肢にはなかった手術で、生存率は格段に上がった。
俺には出来なかったその選択をしたのがあゆみだった。

認知機能障害のリスクがあると、医者から伝えられて、自分を忘れられてしまうと言う恐怖と闘いながら、俺の将来を考え、手術と言う選択をしてくれたあゆみに感謝しかない。
あゆみに惚れて、自分の希望を叶える為に、契約結婚を申し出た俺についてきてくれて、病気の俺を支えてくれて、認知機能障害の恐怖と闘いながらも一途に俺を愛してくれている。
あゆみの望みはないのか?
俺と出会うまで、男性経験は全くなかったあゆみ。
全てが初めての経験で、俺との出会いは奇跡だと言っていた。
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