夜の帝王の一途な愛
私は穴があったら入りたい気持ちで何も言えなかった。
「どういう事?」
彼は全く身に覚えが無い様子だった。
私はゆっくり深呼吸をして昼間の出来事を話した。
「あっ、彼女はお客さん」
「えっ?お客さん?」
と、私の言葉に彼はしまったと言う表情を浮かべた。
「あっ会社のお客さん」
不思議な顔をしていた私に、彼は困った表情で言葉を探していた。
「会社のお客さんって変だよな」
明らかに何かを隠していると悟った。
私は聞いてはいけない事を聞いていると思い困っている彼に謝った。
「ごめんなさい、触れちゃいけない事みたいですね」
彼は深呼吸をして話始めた。
「そんな事無いよ、驚かないで聞いてほしい、俺はホストクラブを経営している」
私の表情を確認しながら、彼は続けた。
「自分の店で、俺はホストの仕事をしている、彼女は俺の常連さんなんだ」
「ホスト?」
そうか、私はなんか納得した。
「ごめん、騙していたわけじゃない、ホストって言ったらあゆみが一緒に居てくれないと思って」
彼は何度も謝っていた。
< 15 / 207 >

この作品をシェア

pagetop