夜の帝王の一途な愛
「特別な関係って誤解される様な言い方するなよ、大変な時に世話になった恩人だ」
ヒカルはあゆみの手を握って「麻生さん、本当の事を話してくれるまで、あゆみさんは俺が預かります」そう言ってあゆみを連れて行こうとした。
俺はヒカルの手からあゆみを奪い取り、自分の背中に回した。
「あゆみは俺の妻だ、あゆみに対して何も疾しいことはしていない、さっさと仕事に行け」
この時俺の背中にあゆみは頬をつけた。
ヒカルは仕方なく仕事に向かった。
俺は背中に回したあゆみの方に振り返り、引き寄せて抱きしめた。
あゆみも俺の背中に手を回しギュッと俺を抱きしめた。
「あゆみ、俺は浮気なんかしてないし、疾しいことは何もない、信じてくれ」
「わかりました、でももし、夜の世界に戻ると言うのであれば私は反対はしませんよ」
「戻らねえよ」
「はい、はいわかりました、今日は凌の病院の日ですよ」
「そうだった、体調いいから忘れてたよ」
「ランチ済ませたら出かけましょうね」
「ああ、そうしよう」
俺とあゆみは病院へ向かった。
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