夜の帝王の一途な愛
「大丈夫です、そんなに謝らなくても」
全然大丈夫じゃないのに、私は平常心を装った。
「じゃあ、今まで通りずっと俺と一緒に居てくれるって事だよな」
彼は安心したような表情で私を見つめた。
どうしよう、全然大丈夫じゃないよ、だってホストって、お客さんと、無理だよ。
私はふっと時計に目をやった。
えっ、時計の針が深夜零時を回っていた。
仕事、麻生さん仕事は?
「麻生さん、仕事は?もうこんな時間になって、どうしよう」
彼は驚きもせず、私の手を引き寄せ抱きしめた。
「大丈夫だよ、今日は仕事を休んだから」
彼は優しく微笑んで答えた。
仕事を休んだって私のせい?どうしよう。
「ごめんなさい、私のせいですよね」
動揺している私に、彼はゆっくりと話を始めた。
「あゆみ、聞いて?俺はあゆみが大切だから、心配するのは当たり前だけど、仕事は大事だから、お客さんには迷惑かけられない、
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