夜の帝王の一途な愛
「あゆみ、ヒカルが言ってた蘭のことだけど、特別な関係って言っても男女の関係はないからな、俺が店をオープンさせた時に世話になって、あゆみのこともちゃんと話してあるんだ」
「そうですか」
「真壁 蘭子なんだけど知らないかな」
「真壁 蘭子さん、知ってますフラワーアレンジメント蘭の社長さんですよね」
「そうそう、その女社長」
「お仕事のことで会っていたんですか」
「あっ、うん」
俺は答えに詰まった、この時あゆみの納得いかない表情に気づく事が出来なかった。
その夜、あゆみを抱きしめるも、あゆみは俺の腕からすり抜けていった。
「凌、本当の事を話してください、それまで寝室は別にお願いします」
えっ?嘘だろ?この夜から俺とあゆみは別の寝室で眠ることとなった。
もう、なんなんだよ、これじゃ何にもならないよ。
それからあゆみは俺と会話をしてくれなくなった。
蘭とのことで絶対疑っていると睨んだ。
そして追い討ちをかける様に蘭がヒカルの店にやって来た。
「ねえ、凌、店出すんだって?」
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