夜の帝王の一途な愛
何度もあゆみに巡り会えて、記憶がないにも関わらず、愛する事が出来たのも奇跡だろう。

俺はあゆみに店と子供を残したい、俺が生きていた証に。
明日、あゆみの花屋オープンを迎える前日、おれの気持ちをあゆみに伝えた。
「あゆみ、俺は夜の世界には戻らない、あゆみの店を手伝うよ」
「どうしてですか」
「一分一秒でもあゆみと一緒にいたいんだ」
あゆみは恥ずかしそうに俯いた。
「わかりました、一緒にいましょうね」
「それと、今晩も頑張るぞ」
俺とあゆみはお互いを求めあった。

そしてオープンの日を迎えた。
俺の人気は大したものだと自分でびっくりしていた。
俺のホスト時代の常連客は列を作って並んだ。
「凌、おめでとう、会える日を待っていたわよ、毎日来るわね」
「ありがとうございます、よろしくお願いします」
「あゆみさん、麻生さんの人気凄いですね」
「そうだね」
この時俺はあゆみの気持ちに全く気づけなかった。
場所は違えど、売り上げを上げるために俺は必死だった。
ホストの接客がまともに出てしまった。
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