夜の帝王の一途な愛
あゆみを抱こうとした時「待ってください」とあゆみが俺の手を止めようとした。

目に一杯の涙が溢れて肩を震わせていたあゆみが俺をじっと見つめた。

「凌、私はヤキモチを妬きました、凌の接客を目の当たりにして、なんか凌が違う世界の人に見えて、私を愛してくれている事が不思議で、いつかは遠くに行ってしまうんじゃないかと不安になって、凌の接客は見たく無かったんです」
「あゆみ」

「私の為に一生懸命な凌に、私は何もしてあげられなくて……」

俺は堪らずあゆみを抱き寄せた。

「あゆみは俺に新たな人生をくれた、愛する事に希望を無くし、仕事だけと思っていた矢先に余命宣告されて、夢も希望もなくしていた俺の目の前にあゆみは現れたんだよ」

「私に取っても凌は、仕事も恋人もなくて、このまま人生終わっていくのかなって思っていた矢先に現れた白馬の王子様です」

「白馬の王子様は大袈裟だよ」

「今回だって、ホスト辞めてまでも私の夢の為に頑張ってくれたのに、私はヤキモチ妬いて恥ずかしいです」

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