夜の帝王の一途な愛
「そうか、じゃ友梨ちゃんに言っておくよ、ヒカルも友梨ちゃんが大好きだってな」

俺はスマホを切った。

ヒカルがあゆみに惚れてるのはわかっていた。

でも、友梨ちゃんの事を意識しているのも事実だ。

友梨ちゃんの存在がヒカルの中で大きくなってくれたらと密かな思いが脳裏を掠めた。

ヒカルがホストの仕事を続ける限り、友梨ちゃんとの結婚は無いに等しいだろう。

そんな二人を引き合わすのは酷なことかもしれない。

でも、もし惹かれ合う関係なら俺が手を貸さずとも二人は人生を共に歩むだろう。

もし運命の相手じゃ無いのなら、いくら俺が引き合わせても続かないだろう。

ヒカルが友梨ちゃんに惚れても振られる可能性も歪めない。

まっ、運命に任せるしか無いなと俺は自分に言い聞かせた。

店に行って友梨ちゃんにヒカルの気持ちを伝えた。

「本当ですか?」

「ああ、これヒカルのスマホの番号、かけてみな?」

友梨ちゃんは俺からのメモを受け取り、俺の目の前でヒカルのスマホに連絡を取った。

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