夜の帝王の一途な愛
あゆみはどう答えればいいか迷っていた。

「ないのか」

あゆみはここを追い出されたら帰る場所はない。

「あのう、なるべく早く、仕事探して、部屋借りますので、それまで置いて頂けないでしょうか」

「働くって、その腹で働けないだろう」

「あっ、そうですね」

「旦那はどうしてるんだ」

「えっと……」

俺は大きくため息をついた。

そしてじっと女を見つめた。

「ここにおいてやる、その代わり頼みたいことがある」

「なんでしょうか」

「飯作れるよな」

「はい」

「じゃあ、飯作ってくれ」

「わかりました」

あゆみはほっと胸を撫で下ろした。

でもまさか、認知機能障害が出るとは夢にも思わなかった。

「俺は仕事に行く、おとなしく留守番していろ」

「はい」

俺はホストクラブへ向かった。

店のトップには俺の写真が飾られていない。

店に入ると、ヒカルが驚いた表情で出迎えた。

「麻生さん、どうしたんですか」

「どうしたんですかじゃねえよ、なんで俺の写真ないんだよ」

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