夜の帝王の一途な愛
「あゆみさん、そろそろ、僕を君の恋人にしてほしい」

会うたびにこのセリフを何度も言われている。

でも、あゆみは凌が忘れられなかった。

凌の状況をヒカルから聞いていることが、忘れられない要因なのだが、

そのことがあゆみを支えている唯一のことなのだ。

「凌さんを忘れなきゃダメですよ」

「そうだよね、でも、無理だよ」

あゆみの店はバイトも雇い入れるほど、忙しく、その傍ら、加々美社長のフラワーアレンジメントの仕事を請け負っているのだ。

「私ね、このまま、一人でいようかなって思ってるの」

「どうしてですか」

「やっぱり、凌が好きなの」

「それなら、ホストクラブへ客として、また行ったらどうですか」

「それしか、会える方法ないもんね」

あゆみはホストクラブに行くことにした。

入り口でヒカルが応対した。

「あゆみさん、ようこそいらっしゃいました」

「ヒカルくん、ありがとう」

「友梨ちゃんから聞きました、あゆみさんをよろしくお願いしますって」

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