夜の帝王の一途な愛
先生は出産の確認をした。
「はい、します」
彼は迷わず答えた。
「奥様もよろしいですね」
私は即答出来ずにいた、その様子に不思議に思った先生は、彼に待合室で待機して貰うように指示し、私と話し始めた。
「あゆみさん、出産は望まれていないのでしょうか」
私は首を傾げて答えに困っていた。
「何か理由があるなら、聞きますよ」
先生は私に優しく微笑んだ。
「あの、彼は二十五歳なのです、私はもうすぐ四十歳になります、彼の人生子供で束縛する事になると心配なのです」
「束縛?」
「彼はこれから好きな人が出来る可能性は十分にあります、子供が彼にとって重荷になり迷惑ではないかと・・・」
先生に対して本音をぶつけた。
「でも、ご結婚されていますよね、それにあんなに妊娠を喜んでくれています、安易な事は言えませんが、心配し過ぎかと思いますが・・・」
先生は続けた。
「確かにご主人さまは若いですが、とてもしっかりしているようにお見受けします、もっと甘えてみたら如何ですか?」
< 40 / 207 >

この作品をシェア

pagetop