夜の帝王の一途な愛
もしかして他に好きな人が出来て、私に対して好きって気持ち薄れてきたのだろうか。
そんな矢先、彼が女性とキスしているところを見てしまった。
やっぱり、私は嫌われてしまったと涙が溢れてきた。
それから何処をどうして歩いたか覚えていない、たどり着いたのは産婦人科だった。
「先生、出産止めたいのですが」
私は彼に迷惑掛けたくない一心で、他に何も考えられなかった。
「落ち着いてください、ご主人さまはご一緒ですか?」
取り乱している私の様子を不思議に思い、深呼吸するように促してくれた。
「ご主人さまの同意が無ければ、中絶手術は出来ませんよ」
「でも、彼は責任感が強いので、子供を望まなくても出産の道を選ぶと思います、彼女が可哀そうです」
「彼女?ご主人さまの彼女ですか?」
私は先生の言葉に大きく頷いた。
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