夜の帝王の一途な愛
マンションへ向かうと、部屋は酷く散らかっており、すごい状態だった。
「どうしたのですか?」
「何が何処にあるか分からなくて」
彼は頭を抱えて、どうしてよいか分からない様子だった。
「ネームシール貼っておきましょうか」
私が提案すると、彼は信じられない事を言ってきた。
「ここに戻って来てくれないかなあ」
「えっ?」
私は彼の言葉に暫く答えられずにいた。
「また、ここで一緒に暮らしてほしい、何が何処にあるかわからないから」
あっ、そういう事か、そうだよね、奇跡は二度起きないから。
でも、嬉しい、また彼の顔を毎日見られる
「はい」
私は一週間でアパートを引き払い、また彼のマンションへ引っ越した。
 手術前の彼との生活とはちょっと違っていた。
色々な事を忘れてしまい、私がすべて管理する事になった。
「病院の診察の日、二週間後ですよ」
「そうだっけ?考えると頭痛くなっちゃうから、あゆみが把握しておいてくれる?」
「分かりました」
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