夜の帝王の一途な愛
ずっとこのまま時間が止まってと願った。
「俺の話聞いている?」
彼の言葉に我に返った。
「ごめんなさい、聞いて無かったです」
彼の横顔に見惚れていたなんて言えない。
どうしていいか分からず、困っていた私に、彼は微笑んで、そして車を停めた。
「すっごいかわいい」
彼は私の頬を両手で掴み、暫くの間見つめ合った。
気が遠くなる感覚を覚えた。
それから何も覚えていない、次に気づいたのは彼のマンションだった。
「大丈夫?」
ベッドに横になっていた私に声をかけた。
「すみません、ご迷惑かけてしまって」
恥ずかしくて、この場から逃げ出したいと思った。
そんな私の気持ちを察してか、彼は自己紹介を始めた。
「俺の名前は麻生凌、二十五歳、仕事は会社経営をしている」
えっ二十五歳?若い、しかも社長?私どうしてここにいるんだっけ?
戸惑っている私に彼は続けた。
「俺の身の回りの世話をしてくれる女性を探している」
あっそう言う事、やっと今の状況が分かってきた私は落ち着きを取り戻した。
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