夜の帝王の一途な愛
彼は私を抱き上げ、車に乗せた。
「怪我したのだから、どうあがいても、一人じゃ帰れないだろう」
私は彼の助けなしでは帰れない状況になり、彼のいいなりになるしかなかった。
「家まで送って行くよ、何処?」
私は、彼の質問に答えず、黙ったまま沈黙が続いた。
「家はご主人いるからまずいか」
「私一人暮らしです」
「えっ、ご主人とは別れたの?」
私はなんて答えればいいか分からなくて黙っていた。しばらく沈黙が流れた。
「黙っているなら俺のマンションに連れてっちゃうよ」
そして、彼は私を自分のマンションへ連れて行った。
車から降りる時、彼は私を抱き上げてくれた。
ロビーでコンシェルジュの宮田さんが声をかけてきた。
「麻生様、どうされたのですか?」
「彼女が足首捻っちゃって」
「大丈夫ですか、ドクターに連絡致しましょうか」
「大丈夫、俺が手当てするから」
彼は私をロビーのソファに座らせた。
「あゆみ、ちょっと待っていて、車動かしてくるから」
彼は駐車場に戻った。
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