夜の帝王の一途な愛
それはそうだろう、友梨ちゃんは二十歳の女の子、彼をかっこいいと思っても不思議ではない。
「あゆみ、帰りは七時で大丈夫?」
「はい、よろしくお願いします」
彼は友梨ちゃんに一礼して、爽やかな笑顔を見せ、フラワーショップをあとにした。 「店長、誰ですか、彼ですか?」
「違う、違う、私を怪我させた張本人」
「かっこいいですね、店長羨まし?い、お姫様抱っこされて」
「友梨ちゃんたら・・・」
「仕事何をしているのですか?名前は?」
「仕事はホスト」
「えっホスト?」
「名前は麻生凌」
「源氏名ですか?」
「源氏名?」
そう言えば聞いたことないなあと記憶を辿った。
「麻生凌は本名で、源氏名は知らない」
「名刺貰えますかね?」
「言えば喜んでくれると思うよ」
「七時に迎えに来ますよね」
「あ、そうだね」
もう友梨ちゃんはそわそわ、ワクワクして仕事どころではない状態である。
閉店の時間になった。
「友梨ちゃん、もう片付けようか」
「はい」
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