【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
いくらか進んでいくと、木立の合間から僅かに小屋のような建物が見えた。そこにリーゼはいる――そう判断したのは正しく直感であった。
ランドルフは小枝がぶつかるのも厭わず、一直線に突き進んだ。
少し開けた場所に風が吹けば吹き飛んでしまいそうなほど粗末な小屋が立っていた。
いかにもゴロつきといった風情の人相の悪い大男が二人、小屋の前を陣取っている。
何やら話しながら下卑た笑い声を上げいたが、馬に乗ったランドルフが姿を現すと、男たちは血相を変え、慌てて立ち上がった。
「なんだぁ、テメェは?!」
「どこからきやがった!!」
わかりやすく狼狽える男たちを冷めた目で睥睨しながら、ランドルフは馬から颯爽と降り、腰に携えた剣を抜く。
「どこのどいつかは知らねぇが、生きて帰れると思うなよ!」
何が面白いのか高笑いをしながら男が剣を片手に飛びかかってくる。
そこからは一瞬だった。
男たちが剣を振り下ろすよりも早く、ランドルフは男たちの懐に入り、剣を振るっていた。大きな躯体が音を立ててその場に倒れる。
殊の外、自分は冷静さを欠いていたらしい。何の訓練も受けていない無頼漢を生きて捕縛することなど、造作もないはずだった。が、己の内で暴れ回る凄絶な怒りを制御できなかった。
だがそんなことはどうでもいい。
ランドルフは倒れたゴロつき共に目も暮れず、目の前の扉を力いっぱい蹴破った。
「リーゼ、無事か!!!」
そう叫びながら小屋の中へ飛び込んだランドルフの目に映ったのは、下劣な男に無理矢理組み伏せられ涙を流すリーゼの姿だった。
ランドルフは小枝がぶつかるのも厭わず、一直線に突き進んだ。
少し開けた場所に風が吹けば吹き飛んでしまいそうなほど粗末な小屋が立っていた。
いかにもゴロつきといった風情の人相の悪い大男が二人、小屋の前を陣取っている。
何やら話しながら下卑た笑い声を上げいたが、馬に乗ったランドルフが姿を現すと、男たちは血相を変え、慌てて立ち上がった。
「なんだぁ、テメェは?!」
「どこからきやがった!!」
わかりやすく狼狽える男たちを冷めた目で睥睨しながら、ランドルフは馬から颯爽と降り、腰に携えた剣を抜く。
「どこのどいつかは知らねぇが、生きて帰れると思うなよ!」
何が面白いのか高笑いをしながら男が剣を片手に飛びかかってくる。
そこからは一瞬だった。
男たちが剣を振り下ろすよりも早く、ランドルフは男たちの懐に入り、剣を振るっていた。大きな躯体が音を立ててその場に倒れる。
殊の外、自分は冷静さを欠いていたらしい。何の訓練も受けていない無頼漢を生きて捕縛することなど、造作もないはずだった。が、己の内で暴れ回る凄絶な怒りを制御できなかった。
だがそんなことはどうでもいい。
ランドルフは倒れたゴロつき共に目も暮れず、目の前の扉を力いっぱい蹴破った。
「リーゼ、無事か!!!」
そう叫びながら小屋の中へ飛び込んだランドルフの目に映ったのは、下劣な男に無理矢理組み伏せられ涙を流すリーゼの姿だった。