【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
二年前の暗殺事件の犯人に攫われ、それをランドルフに助けられたことまでは覚えている。だが、それ以降の記憶がすっぽり抜けていた。
自分は一体いつの間に気を失っていたんだろう。
「あの、ランドルフ様……」
「気分はどうだ?」
「あ、はい。それは……」
「頭は?大きなコブができていたようだが、まだ痛むか?君を診た医者は命に別状はないと言っていたが」
「え?あ……」
「痛み止めはもらっている。痛みが強いようなら王都の医者を呼び寄せよう」
「えっと、その……」
「まさか……他にも痛むところがあるのか?!どこだ?!」
「いえ、あの……」
起きたばかりで頭が働かない上に、矢継ぎ早で色々聞かれるものだから、リーゼは口ごもってしまう。
そうしている間に何を勘違いしたのか、ランドルフはサッと顔を曇らせた。
「すぐに医者を呼んでこよう!待っていろ!」
「もう!ランドルフ様、落ち着いてください!」
ガタッと椅子を蹴飛ばす勢いで立ち上がったランドルフの袖を掴んで制止すると、彼は不意を衝かれたように目を丸くした。
そんな彼の表情は珍しくて、ついマジマジと見つめてしまう。リーゼは気を取り直すように軽く咳払いをした。
自分は一体いつの間に気を失っていたんだろう。
「あの、ランドルフ様……」
「気分はどうだ?」
「あ、はい。それは……」
「頭は?大きなコブができていたようだが、まだ痛むか?君を診た医者は命に別状はないと言っていたが」
「え?あ……」
「痛み止めはもらっている。痛みが強いようなら王都の医者を呼び寄せよう」
「えっと、その……」
「まさか……他にも痛むところがあるのか?!どこだ?!」
「いえ、あの……」
起きたばかりで頭が働かない上に、矢継ぎ早で色々聞かれるものだから、リーゼは口ごもってしまう。
そうしている間に何を勘違いしたのか、ランドルフはサッと顔を曇らせた。
「すぐに医者を呼んでこよう!待っていろ!」
「もう!ランドルフ様、落ち着いてください!」
ガタッと椅子を蹴飛ばす勢いで立ち上がったランドルフの袖を掴んで制止すると、彼は不意を衝かれたように目を丸くした。
そんな彼の表情は珍しくて、ついマジマジと見つめてしまう。リーゼは気を取り直すように軽く咳払いをした。