【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
淡い紅色の花弁の随所にパールが散りばめられて可愛らしい。花の中央で輝いているのは恐らくイエローダイヤモンド。
間違いなく高価な品だ。
初日は花束を贈られ、翌日は髪を結うためのリボン、そして昨日は手鏡と、本と一緒に手渡される贈り物の値段がどんどん上がっているのは気のせいじゃない。
甘やかされるのは嬉しいけれど、そこにかかる多大な費用を考えるとどうしても気後れしてしまう。
リーゼは緩む表情を引き締めて、おずおずとランドルフの顔を窺った。
「ランドルフ様、こう毎日贈り物を用意していただかなくても大丈夫ですよ。お金も、その、もったいないですし……」
「何がもったいないものか。今まで君にろくに夫らしいことをしてこなかったんだ。その分と思えばいい。金ならいくらでもある」
不遜なことを言い放ったランドルフは、ブローチを摘み上げるとリーゼの胸元に付けてみせた。
鮮やかなブローチで彩られた胸元が華やぎ、ランドルフは満足げに頷いている。
「やはり君にはこういった可憐なものが似合うな。さながら花の精だ」
「うっ……」
こんな地味な花の精がいるわけない。そう反論したいのに、ランドルフの言葉が甘すぎて返答に詰まる。リーゼの顔はとっくに茹っている。
間違いなく高価な品だ。
初日は花束を贈られ、翌日は髪を結うためのリボン、そして昨日は手鏡と、本と一緒に手渡される贈り物の値段がどんどん上がっているのは気のせいじゃない。
甘やかされるのは嬉しいけれど、そこにかかる多大な費用を考えるとどうしても気後れしてしまう。
リーゼは緩む表情を引き締めて、おずおずとランドルフの顔を窺った。
「ランドルフ様、こう毎日贈り物を用意していただかなくても大丈夫ですよ。お金も、その、もったいないですし……」
「何がもったいないものか。今まで君にろくに夫らしいことをしてこなかったんだ。その分と思えばいい。金ならいくらでもある」
不遜なことを言い放ったランドルフは、ブローチを摘み上げるとリーゼの胸元に付けてみせた。
鮮やかなブローチで彩られた胸元が華やぎ、ランドルフは満足げに頷いている。
「やはり君にはこういった可憐なものが似合うな。さながら花の精だ」
「うっ……」
こんな地味な花の精がいるわけない。そう反論したいのに、ランドルフの言葉が甘すぎて返答に詰まる。リーゼの顔はとっくに茹っている。