【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
(……いや、分かっていたことじゃない。こんなことで傷ついてたらダメよ!)
ランドルフに特別な関心を寄せられていないのは今に始まったことじゃない。甘くない現実に挫けそうになる心をなんとか励ます。
だってもう神様にも誓ってしまっているのだ。今更この結婚をやめることなんてできないのだから。
この先リーゼはずっと、胸に宿るほのかな恋心を秘めたままにしなければいけない。こんな些細なことで挫けてなんていられないのだ。
鼻息を荒くして気合いを入れ直したリーゼはそのまま倒れるようにベッドに横たわった。そろそろ寝る時間なので。
宿舎のものとは違う匂いがする枕に顔を埋めて目を閉じてみる。が、一向に眠気は訪れてこなかった。
朝からずっと続いていた緊張が、今もまだリーゼの体に蔓延っているからかもしれない。
コロコロと寝返りを打って、しばらく目をつぶって。それを何度か繰り返してみるも、眠気は訪れるどころかどんどんと遠ざかっていって。
すっかり目が冴えてしまったリーゼは、仕方なくムクリと起き上がった。
「……ホットミルクでも飲もうかしら」
まずはこの無性にざわつく胸の鼓動を落ち着けたい。リーゼはガウンを羽織り、キッチンへ向かうことにしたのだが――
ランドルフに特別な関心を寄せられていないのは今に始まったことじゃない。甘くない現実に挫けそうになる心をなんとか励ます。
だってもう神様にも誓ってしまっているのだ。今更この結婚をやめることなんてできないのだから。
この先リーゼはずっと、胸に宿るほのかな恋心を秘めたままにしなければいけない。こんな些細なことで挫けてなんていられないのだ。
鼻息を荒くして気合いを入れ直したリーゼはそのまま倒れるようにベッドに横たわった。そろそろ寝る時間なので。
宿舎のものとは違う匂いがする枕に顔を埋めて目を閉じてみる。が、一向に眠気は訪れてこなかった。
朝からずっと続いていた緊張が、今もまだリーゼの体に蔓延っているからかもしれない。
コロコロと寝返りを打って、しばらく目をつぶって。それを何度か繰り返してみるも、眠気は訪れるどころかどんどんと遠ざかっていって。
すっかり目が冴えてしまったリーゼは、仕方なくムクリと起き上がった。
「……ホットミルクでも飲もうかしら」
まずはこの無性にざわつく胸の鼓動を落ち着けたい。リーゼはガウンを羽織り、キッチンへ向かうことにしたのだが――