【更新】雇われ妻ですが冷徹騎士団長から無自覚に溺愛されています
「すみませんでした、団長。ご迷惑をおかけして……」
扉が閉まったと同時にまた謝ると、振り返ったランドルフが怪訝そうに眉根を寄せた。
「迷惑もなにも。被害を受けたのは君だろう」
「そうですけど、でも、本当は私がもっと上手く対応すべきでしたし……」
「……君はどうしてそう……」
ランドルフがそう言いかけた時、背後の扉からノックの音が聞こえた。入室の許可を受けて入ってきたマーティンが、扉の前で立ったままの二人を見て一瞬だけ眉を上げる。
が、すぐに柔和な笑みを浮かべ、手にしていたワインと軽食をソファの横の円卓へ置くと、マーティンはすぐさま部屋を辞した。
「とりあえず座ろう」
彼の背中から感情は読み取れない。
リーゼはランドルフに続いてソファに腰掛けた。
不自然にならない程度に、リーゼは彼と距離を取って座った。それは傷つくことを恐れる、リーゼの防衛本能だったのかもしれない。
ワインをグラスに注ごうとすると、ランドルフが手でそれを制した。
濃赤の液体がグラスに満ちていくのを居た堪れない気持ちで眺める。
扉が閉まったと同時にまた謝ると、振り返ったランドルフが怪訝そうに眉根を寄せた。
「迷惑もなにも。被害を受けたのは君だろう」
「そうですけど、でも、本当は私がもっと上手く対応すべきでしたし……」
「……君はどうしてそう……」
ランドルフがそう言いかけた時、背後の扉からノックの音が聞こえた。入室の許可を受けて入ってきたマーティンが、扉の前で立ったままの二人を見て一瞬だけ眉を上げる。
が、すぐに柔和な笑みを浮かべ、手にしていたワインと軽食をソファの横の円卓へ置くと、マーティンはすぐさま部屋を辞した。
「とりあえず座ろう」
彼の背中から感情は読み取れない。
リーゼはランドルフに続いてソファに腰掛けた。
不自然にならない程度に、リーゼは彼と距離を取って座った。それは傷つくことを恐れる、リーゼの防衛本能だったのかもしれない。
ワインをグラスに注ごうとすると、ランドルフが手でそれを制した。
濃赤の液体がグラスに満ちていくのを居た堪れない気持ちで眺める。