佐々木くんは見えるらしい
紗菜ちゃんの中の人と落とし物
紗菜ちゃんの入院している病院に着いたのは夕方の四時くらいだった。五時には面会時間が終わるらしい。
「優希ちゃん、来てくれたの?」
病室に入ると紗菜ちゃんのママが私に気が付いて声をかけてくれた。紗菜ちゃんが横になっているベッドの向こう側に紗菜ちゃんのママは立っている。
「はい、紗菜ちゃんが心配で」
そう答えるけれど、紗菜ちゃんのママも疲れた顔をしていて心配だ。
とっても綺麗な人なのに、目の下にくまができている。
「ありがとう。――お友達?」
「同じクラスの佐々木くんです」
紗菜ちゃんのママに尋ねられ、私は佐々木くんのことを紹介した。
当の本人は「どうも」なんて軽く言って、ベッドで静かに眠る紗菜ちゃんの顔を横から覗き込む。
「ずっと眠ったままなんですか?」
「そうなの、検査ではなにも悪いところは見つからないんだけどね」
私が質問をすると、紗菜ちゃんのママが困っているような顔で答えてくれた。そんなときだ。
「あんたは誰なんだ?」
突然、ベッドの横に立ったままの佐々木くんがそんなことを口にした。
「優希ちゃん、来てくれたの?」
病室に入ると紗菜ちゃんのママが私に気が付いて声をかけてくれた。紗菜ちゃんが横になっているベッドの向こう側に紗菜ちゃんのママは立っている。
「はい、紗菜ちゃんが心配で」
そう答えるけれど、紗菜ちゃんのママも疲れた顔をしていて心配だ。
とっても綺麗な人なのに、目の下にくまができている。
「ありがとう。――お友達?」
「同じクラスの佐々木くんです」
紗菜ちゃんのママに尋ねられ、私は佐々木くんのことを紹介した。
当の本人は「どうも」なんて軽く言って、ベッドで静かに眠る紗菜ちゃんの顔を横から覗き込む。
「ずっと眠ったままなんですか?」
「そうなの、検査ではなにも悪いところは見つからないんだけどね」
私が質問をすると、紗菜ちゃんのママが困っているような顔で答えてくれた。そんなときだ。
「あんたは誰なんだ?」
突然、ベッドの横に立ったままの佐々木くんがそんなことを口にした。