佐々木くんは見えるらしい
◆ ◆ ◆
「なんだ、来たのか」
次の日の放課後、私が佐々木くんのお家を訪ねると彼の第一声はこれだった。
寝癖のついた髪に大きなあくび、まるで今起きたみたいだ。
「蒼空、女の子にはちゃんと優しくするのよ?」
そう言って、またアキさんはお店の準備でどこかに行ってしまい、佐々木くんと二人きりになる。
「来たよ、紗菜ちゃんを助けたいから」
私はリビングの入口に立つ佐々木くんをジッと見つめた。
本当は昨日、佐々木くんにムカつくことを言われて、ここに来るのはやめよう、って考えた。
でも、紗菜ちゃんを助けたい気持ちのほうが大きくて、佐々木くんの力が必要だと思った。
だから、私は今日ここに来たんだ。
「まあ、それもいい」
表情を変えることなく、どうでもいいというふうに佐々木くんが言う。
「さて、じゃあ行くか」
「え? 行くって、どこに?」
急に玄関に向かって歩き出した佐々木くんに、私は声をかけた。
まだ来たばかりで準備が出来てなくて、私は自分のお気に入りの水色のランドセルを背負えてない。
「なんだ、来たのか」
次の日の放課後、私が佐々木くんのお家を訪ねると彼の第一声はこれだった。
寝癖のついた髪に大きなあくび、まるで今起きたみたいだ。
「蒼空、女の子にはちゃんと優しくするのよ?」
そう言って、またアキさんはお店の準備でどこかに行ってしまい、佐々木くんと二人きりになる。
「来たよ、紗菜ちゃんを助けたいから」
私はリビングの入口に立つ佐々木くんをジッと見つめた。
本当は昨日、佐々木くんにムカつくことを言われて、ここに来るのはやめよう、って考えた。
でも、紗菜ちゃんを助けたい気持ちのほうが大きくて、佐々木くんの力が必要だと思った。
だから、私は今日ここに来たんだ。
「まあ、それもいい」
表情を変えることなく、どうでもいいというふうに佐々木くんが言う。
「さて、じゃあ行くか」
「え? 行くって、どこに?」
急に玄関に向かって歩き出した佐々木くんに、私は声をかけた。
まだ来たばかりで準備が出来てなくて、私は自分のお気に入りの水色のランドセルを背負えてない。