無自覚姫は今日も美形集団を纏わせる
~次の日の部活の時間~
私は帰宅部だからすぐに動画制作部に行く。
たしか動画制作部ってすべてが謎の部活だったよね。
入部不可能だし、入室も不可能。
部員も会長が厳重に保管しているらしいし。
入らせてもらえるのかな。
そんなことを呑気に考えながら動画作成部の部室がる旧校舎・西棟に行く。
あんまり・・・いや、全然人がいないんだけどね。
動画作成部、の札が掛かっている教室を見つけ、なぜかあるインターホンを押す、と・・・。
『・・・』
「・・・あ、あの・・・先生から書類を頼まれてきた、3年SSクラスの向埜鳥 真空、です・・・」
沈黙が怖いっ・・・。
『真空、って言った・・・?』
「あ、はい・・・」
『ちょっと待っててね』
何この優しい声。
さっきの沈黙の人と同一人物だと思うけど。
そっと扉が開き、出てきたのはパーカーのフードを深くかぶったカワウソのお面を付けた人。
あ、顔を見られちゃ困るってこと・・・?
「はじめまして・・・本当に、真空だね?」
「は、はい」
なんだろうっ・・・警戒してる?
「中、どうぞ?」
えっ・・・入っていいの?
周りをチラと見てから教室にはいるとカワウソさんが笑った気がした。
「大丈夫だよ、この教室以外エアコンがついてないから勉強に来る人とかもいないし」
インターホンにエアコン・・・設備はしっかりしているようです、ハイ。
「あー、琴李くーん、なんかあったー?」
「あ、琴李。書類だよね・・・って」
中にいた3人のイケメンさんの内、可愛い人と爽やかな感じがする人が何か言う。
驚くよね・・・部外者だし、私。
「え・・・向埜鳥 真空・・・?」
「あ、はい・・・そうですけど・・・」
何をそんなに驚いているの、爽やかさん・・・?
「琴李・・・!どういうこと?!まさかだけどセッティング・・・」
せ、セッティング・・・?
「してないよ」
そう答えたカワウソさん・・・おそらく琴李くんはお面を外した。
フードも戻し、素顔があらわになる。
う、わ・・・イケメンだ。
なんか・・・ほんわかしたような人。
「改めて・・・雉球 琴李(きじだま ことり)だよ。
よろしくね、真空」
あ、琴李くんであってた。
「俺は鷹御 氷空(たかお そら)。
仲よくしようね」
「僕は大鷲 蓮羅(おおわし れんら)だよ~」
爽やかさんが氷空くんで可愛い人が蓮羅くんね
「ん・・・誰か来たのか?」
「あ、心珠。この子が真空ね。」
心珠、と呼ばれた人は見覚えがあった。
「会長・・・?」
「・・・あぁ。雀矢 心珠(すずめや しんじゅ)だ」
心珠くんか・・・。
「よろしくね」
ニコッと笑って書類を差し出す。
「あ、これ・・・また?」
また、とは?
「琴李~、また来たよ~」
「え、しつこいね」
結構来てるのかな、この書類。
「何の書類なの?」
「あぁ、入部希望が出ているので・・・っていうね」
入部却下なんだっけ。
「そうだ、真空には秘密をしゃべっちゃったね・・・」
・・・確かに。
「誰にも言わないから安心して!」
「いやぁ、でもねぇ・・・あ、入部しない?」
・・・入部?
「秘密を守ってもらう代わりに入部・・・いいでしょ?」
い、いやいや・・・。
「たしか・・・帰宅部、だよね」
「あ~、いや、入部は・・・」
「秘密を守るなんて証拠、ないもんね」
「く、口は堅いから・・・」
なになに・・・脅されてるの?
「ね、いいでしょ」
「うぅ・・・はい」
なんでうなずくの・・・断れたでしょっ!
「よし、じゃあ真空にはこれ」
渡された薄紫のパーカーと白い狐のお面。
か、可愛いっ・・・。
よく見るとみんな色違いのパーカーを着ていた。
氷空くんは赤、蓮羅くんは水色、心珠くんは黒、琴李くんはピンク。
「あ、琴李のお面しか見てないよね。
俺は犬で蓮羅は猫、心珠は熊、琴李はカワウソね」
で、私は狐か・・・。
お祭りの屋台でありそうなお面で、隠せるのは顔の上半分だけだ。
・・・と、その前に聞きたいことがあるんだけど。
「・・・なんで今パーカーとお面が余分にあるの?」
私は動画作成部に知らせずに来たのに・・・。
「あ、それねー・・・氷空がいつか真空ちゃんに入部してもらいたいって用意してたんだよ。
そしたらホントに真空ちゃんが来ちゃったってこと」
私に入部してもらいたい・・・?
首をかしげると氷空くんは慌てたように手をブンブン振り、真っ赤になりながら言い訳(?)を始める。
「い、いや・・・ち、違うよっ・・・そんなわけ、じゃ・・・っ。
その、何かあった時の予備としてねっ・・・」
そ、そんなに慌てなくても・・・。
「氷空くんはわかりやすいなぁ~。
み~んな知ってることなんだから慌てなくてもいいじゃ~ん~」
れ、蓮羅くんっ・・・。
そんなニコニコしながら言ったら・・・。
「れ~ん~ら~っ!」
ほらぁ・・・やっぱり氷空くんの顔がさっきより赤くなっちゃってるよ。
「こらこら、真空ちゃんが困ってるでしょ。
喧嘩なんて醜いことしないの。
喧嘩は子供がすることだもんね、真空ちゃん?」
「ちょっと琴李ー!
それって俺たちが子供ってこと?!
真空の前でそんなこと言わないでっ!」
「も~、琴李くんったら冗談がうまいなぁ~。
子供なんて氷空くんだけだよ~」
琴李くんのなんとも失礼な発言に氷空くんは眉間にしわを寄せ、蓮羅くんはニコニコと笑っていた。
「まったく・・・早く真空に部活の説明をしたらどうだ」
わぁ、心珠くん、気が利くなぁっ・・・。
「私は何をすれば?」
一応機械系には自信あるけど・・・。
「あ、真空の仕事は・・・」
うんうん。
「俺の・・・」
氷空くんの・・・?
「専属の・・・」
え、専属?
「癒し係だよ」
私は帰宅部だからすぐに動画制作部に行く。
たしか動画制作部ってすべてが謎の部活だったよね。
入部不可能だし、入室も不可能。
部員も会長が厳重に保管しているらしいし。
入らせてもらえるのかな。
そんなことを呑気に考えながら動画作成部の部室がる旧校舎・西棟に行く。
あんまり・・・いや、全然人がいないんだけどね。
動画作成部、の札が掛かっている教室を見つけ、なぜかあるインターホンを押す、と・・・。
『・・・』
「・・・あ、あの・・・先生から書類を頼まれてきた、3年SSクラスの向埜鳥 真空、です・・・」
沈黙が怖いっ・・・。
『真空、って言った・・・?』
「あ、はい・・・」
『ちょっと待っててね』
何この優しい声。
さっきの沈黙の人と同一人物だと思うけど。
そっと扉が開き、出てきたのはパーカーのフードを深くかぶったカワウソのお面を付けた人。
あ、顔を見られちゃ困るってこと・・・?
「はじめまして・・・本当に、真空だね?」
「は、はい」
なんだろうっ・・・警戒してる?
「中、どうぞ?」
えっ・・・入っていいの?
周りをチラと見てから教室にはいるとカワウソさんが笑った気がした。
「大丈夫だよ、この教室以外エアコンがついてないから勉強に来る人とかもいないし」
インターホンにエアコン・・・設備はしっかりしているようです、ハイ。
「あー、琴李くーん、なんかあったー?」
「あ、琴李。書類だよね・・・って」
中にいた3人のイケメンさんの内、可愛い人と爽やかな感じがする人が何か言う。
驚くよね・・・部外者だし、私。
「え・・・向埜鳥 真空・・・?」
「あ、はい・・・そうですけど・・・」
何をそんなに驚いているの、爽やかさん・・・?
「琴李・・・!どういうこと?!まさかだけどセッティング・・・」
せ、セッティング・・・?
「してないよ」
そう答えたカワウソさん・・・おそらく琴李くんはお面を外した。
フードも戻し、素顔があらわになる。
う、わ・・・イケメンだ。
なんか・・・ほんわかしたような人。
「改めて・・・雉球 琴李(きじだま ことり)だよ。
よろしくね、真空」
あ、琴李くんであってた。
「俺は鷹御 氷空(たかお そら)。
仲よくしようね」
「僕は大鷲 蓮羅(おおわし れんら)だよ~」
爽やかさんが氷空くんで可愛い人が蓮羅くんね
「ん・・・誰か来たのか?」
「あ、心珠。この子が真空ね。」
心珠、と呼ばれた人は見覚えがあった。
「会長・・・?」
「・・・あぁ。雀矢 心珠(すずめや しんじゅ)だ」
心珠くんか・・・。
「よろしくね」
ニコッと笑って書類を差し出す。
「あ、これ・・・また?」
また、とは?
「琴李~、また来たよ~」
「え、しつこいね」
結構来てるのかな、この書類。
「何の書類なの?」
「あぁ、入部希望が出ているので・・・っていうね」
入部却下なんだっけ。
「そうだ、真空には秘密をしゃべっちゃったね・・・」
・・・確かに。
「誰にも言わないから安心して!」
「いやぁ、でもねぇ・・・あ、入部しない?」
・・・入部?
「秘密を守ってもらう代わりに入部・・・いいでしょ?」
い、いやいや・・・。
「たしか・・・帰宅部、だよね」
「あ~、いや、入部は・・・」
「秘密を守るなんて証拠、ないもんね」
「く、口は堅いから・・・」
なになに・・・脅されてるの?
「ね、いいでしょ」
「うぅ・・・はい」
なんでうなずくの・・・断れたでしょっ!
「よし、じゃあ真空にはこれ」
渡された薄紫のパーカーと白い狐のお面。
か、可愛いっ・・・。
よく見るとみんな色違いのパーカーを着ていた。
氷空くんは赤、蓮羅くんは水色、心珠くんは黒、琴李くんはピンク。
「あ、琴李のお面しか見てないよね。
俺は犬で蓮羅は猫、心珠は熊、琴李はカワウソね」
で、私は狐か・・・。
お祭りの屋台でありそうなお面で、隠せるのは顔の上半分だけだ。
・・・と、その前に聞きたいことがあるんだけど。
「・・・なんで今パーカーとお面が余分にあるの?」
私は動画作成部に知らせずに来たのに・・・。
「あ、それねー・・・氷空がいつか真空ちゃんに入部してもらいたいって用意してたんだよ。
そしたらホントに真空ちゃんが来ちゃったってこと」
私に入部してもらいたい・・・?
首をかしげると氷空くんは慌てたように手をブンブン振り、真っ赤になりながら言い訳(?)を始める。
「い、いや・・・ち、違うよっ・・・そんなわけ、じゃ・・・っ。
その、何かあった時の予備としてねっ・・・」
そ、そんなに慌てなくても・・・。
「氷空くんはわかりやすいなぁ~。
み~んな知ってることなんだから慌てなくてもいいじゃ~ん~」
れ、蓮羅くんっ・・・。
そんなニコニコしながら言ったら・・・。
「れ~ん~ら~っ!」
ほらぁ・・・やっぱり氷空くんの顔がさっきより赤くなっちゃってるよ。
「こらこら、真空ちゃんが困ってるでしょ。
喧嘩なんて醜いことしないの。
喧嘩は子供がすることだもんね、真空ちゃん?」
「ちょっと琴李ー!
それって俺たちが子供ってこと?!
真空の前でそんなこと言わないでっ!」
「も~、琴李くんったら冗談がうまいなぁ~。
子供なんて氷空くんだけだよ~」
琴李くんのなんとも失礼な発言に氷空くんは眉間にしわを寄せ、蓮羅くんはニコニコと笑っていた。
「まったく・・・早く真空に部活の説明をしたらどうだ」
わぁ、心珠くん、気が利くなぁっ・・・。
「私は何をすれば?」
一応機械系には自信あるけど・・・。
「あ、真空の仕事は・・・」
うんうん。
「俺の・・・」
氷空くんの・・・?
「専属の・・・」
え、専属?
「癒し係だよ」